白球を追う君へ
舞花は、高校受験に失敗し第二志望の北信高校に入学した。行くつもりのなかった高校に最初は、気分が乗らなかった。そんな気持ちで迎えた入学式。しかし、気持ちとは対照的に新しい制服、カバン、そして環境と出会いに自然とソワソワしていった。舞花は、何事にも前向きに取り組んでいける性格を持ち合わせていたのだ。入学してすぐ、気の合う友達にも恵まれ、クラスに気になる男の子もでき、順調なスタートを切ったように思われた。気になる男の子は、ジャ◯ーズ系の爽やかな松村くんという男の子で、顔がすごくタイプだった。恥ずかしくて話しかけることはあまりできなかったが、恋をしていること、そしてそれを友達と話し合うことが楽しくて仕方がなかった。しかし、ある噂が舞花の耳に入るようになる。松村くんが大槻さんにチラチラみられて気持ち悪いと言っている、と。そんなつもりはなかった。しかし、確かに無意識に目で追ってしまっていた自分を認め恥ずかしさとショックで、彼のことを恋愛対象として気にするのをやめてしまった。好きな人に気持ち悪いと思われてしまったことで、その時から男の子が怖くなってしまった。クラスでも、男の子とは距離を置き、女の子とばかり話すようになっていった。そんな学校生活が定着していった7月、季節は夏。学校祭の時期が訪れた。学校祭は、準備を通して男女の仲が深まるキッカケにつながる行事。しかし舞花はというと、男の子が怖いという気持ちがぬけず、新しい恋の予感は欠片もなかった。しかし、友人達には、次々と気になる男の子ができるようになっていた。咲希というサバサバしている友達も、弘弥という野球部の男の子が気になると舞花やグループの友人達に打ち明けてくれた。弘弥は、後に舞花が恋に落ちる男の子であるが、それは少し先の話。その時は、彼のことをよく知らなかったし、クラスメートとしか思っていなかった。大切な友達の咲希を全力で応援する、そう決めていた。舞花の全力の片思いが動き出す気配はまだみえない。そんな1年生のの1学期。
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