私の恋は、期限つき
今日もお祖母ちゃんの家に帰る。


「ただいま。」


「お帰りなさい。お疲れ様、今日は、なにつくりたい?」

まず帰ってから一緒に夕飯をつくる。


「うん。今日は、お魚が食べたい。」


「なら、〆鯖があるから鮪を解凍してお刺身にしましょうか?」


「わぁい、お刺身だ!」


お祖母ちゃんが漬けてくれた、糠漬けと煮物を用意して、お刺身を切る。


御飯は、すでに炊いといてくれている。
夕飯だけは、付き合いなどない限り、お祖母ちゃんのとこで食べるようにしている。

お互いの元気確認みたいなものだ。

それに、一人で食べるより誰かと一緒に食べるほうがおいしい。


「いただきます。」

用意ができて一緒に食べはじめる。


「凛ちゃん。」

「はい?」

「今日は、なにかあった?」

お祖母ちゃんは、私のちょっとした変化に鋭い。

「なにかって?」


「なんなのかわからないけど、なにかあったんでしょう?お祖母ちゃんには、違いがわかるのよ。」


やっぱり、隠せないか…

「うん…気になる人がいて、食事に誘ってみたんだけど…返事がもらえなかったの。」

「それって、無視されたか、はぐらかされたってこと?」

「うううん。後で連絡しますって言われた。」

「後でって言われたのね。」

「うん」

「その人は、約束を破るような人なの?」

「えっ、そんなことないと思う。」

「なら、忙しい人なのかしら?」

「う~ん、忙しいと思う。」

「それなら、もう少し返事を待っててあげなさい。きっと日にちの都合をつけてくれるわよ。」

「はい」

お祖母ちゃんに言われると安心する。


そっか、待ってみるのがよいんだ。
そう思える。
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