カ・ン・シ・カメラ
中は四方が発泡スチロールに囲まれ、壊れないよう厳重になっている。


あたしは周囲の発泡スチロールを取り出し、ビニールに包まれている商品を手に取った。ビニールから取りだし、実物を確認する。


「これが監視カメラ……?」


一見すればそれはクマのぬいぐるみにしか見えない。


重さも普通のぬいぐるみと変わらない。


あたしはダンボールに入っている説明書を手に取った。


カメラのレンズはクマの右目にあるらしい。


あたしは右目をマジマジと確認して「本当だ!」と、呟く。


よく見ないとわからないようになっている。


これなら颯に気づかれることもなさそうだ。


そう思い、舌なめずりをする。


「スマホのアプリをダウンロードしなきゃ」


あたしは説明書に書かれているQRコードを読み取り、サイトにつなげた。
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