カ・ン・シ・カメラ
「あ、少ないけどロウソクも付けてくれてるよ」


箱の側面にはお店のサービスで誕生ケーキ用のロウソクが2本ついていた。


「ロウソクまでいらないのに」


少し恥ずかしがる颯のケーキにロウソクを2本立てた。


「颯、マッチ持ってる?」


そう聞くと、颯は引き出しからマッチを取り出して持ってきた。


見るとそれは去年公園で花火をした時の残りのマッチだった。


ライターやマッチといった類はそんなに必要としないから、仕方ないけれど、ちゃんと火がつくのかな?


そう思ってマッチをすると、ちゃんと火がついた。


「電気消すね」


「本格的だな」


颯はそう言い、笑う。


太陽の明かりが入ってきて真っ暗というワケにはいかなかったけれど、なんとなく雰囲気は出た。
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