カ・ン・シ・カメラ
もしかすると、誰にも言わず学校を休み、また女を連れ込んでいるかもしれない。


そんな不安もあった。


「最近、スマホばかり気にしているけれど、どうかしたの?」


昼休み、お弁当を食べる手を止めてスマホをいじっているあたしに、杏里がそう聞いてきた。


「ううん、別になんでもないよ」


そう言い、スマホをポケットにしまう。


颯の部屋は真っ暗で誰もいなかった。


その事に安心して、ご飯を続ける。


「ちょっと依存気味なんじゃない?」


冗談めかしてそう言う杏里に、あたしは鋭い視線を向ける。


「あ、ごめん……冗談のつもりだったんだけど……」


あたしに怯え、杏里が戸惑った表情を浮かべる。


「ううん、本当のことだから」


あたしは慌てて笑顔になり、そう言った。


「やっぱり、依存してるんだ?」
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