意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
屋台でジュースを買って、美空に分ける。
後ろで鈴木も色々買って、好きに楽しんでいるようだった。
鈴木は、つかず離れずついてくる。
で、時々写真を撮っている。

「ねぇ瀬田」

「なんだよ」

ペットボトルのジュースをこくりと一口。

「あのさ、どうして手を離してくれないの?」

「ほら、それっぽいじゃん?」

「……?」

鈍いお前がヒール履いてるのが心配だから、とは、言えない。
単に繋ぎたいからってのもあるけど。

ずっと、手をつなぎながら、歩く。
今までは、俺が、無理やり腕を掴んでいた。
今日は、手をつなげる。
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