意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
よかったら試食して、感想を聞かせて欲しいわ。
と言う言葉と共に、チーズケーキとホットコーヒーが目の前に置かれた。

おばさんは店で出す料理どころか、ケーキも全て手作りしている。
そのどれもが素朴で美味しいと評判だ。

研究熱心なおばさんは、評判に驕ることがない。
常に向上心を持って、試行錯誤を繰り返している、

こうやって立花と一緒にカウンターに座っては、試食用のケーキをご馳走になるのは、もう何度目かわからない。
そのどのケーキも、間違いなく美味しかった。

「はい、いただきます」

「やったー、チーズケーキ!」

お礼を言ってフォークを取る俺の隣では、万歳しかねない喜びようの立花がいた。
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