意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
「え~と、カップルコンテストはこの二人でいいと思う人、挙手を」

委員長の声に、全員が手をあげた。
取り敢えず俺も右手でも挙げとこうかな。
それで握られた立花の左手も挙がる。

これで本当に全員だな、きっと立花は俺のこのいたずらにすら、気づいてないんだろうよ。
くすくすと、俺のイタズラに笑うクラスメイトの笑い声がいくつか聞こえた。

「はい、多数決で決定ね。
立花、決定だからね」

「う~……。は、はい……」

席に着いて手をほどいてやると、睨まれた。
小さく、何を言い出すのよぅ、と文句を言われた。

睨みたいのも文句を言いたいのも、こっちだってんだ、バカ。
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