意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
ふふん、と体の前に衣装を合わせて、くるりと一周ターンをしてみせる立花。
ふんわりとした膝丈の黒いワンピースに、オレンジのフリルが揺れる。
はいはい、可愛い可愛い。

和風のお化け屋敷なんだから、和風のお化けになりたい。
と言っていたけど、俺が絶対魔女だと言い聞かせた。
ハロウィンも近いし、こういう衣装ならいくらでも売っているから、お揃いで合わせやすい。

「間に合って良かった。
そうだ、瀬田は何着るの?」

「秘密」

「なんでよ?!
人には指図しといて!」

お揃いだって今は言えない。
恥ずかしがって、やめると言いかねないから。

「それはそうとさ、ステージで何着るんだ?
俺たち」
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