好きと言えなくて
私の部屋は何故か智尋兄さんの隣の部屋。


咲良母さんがの方が起こしに行きやすいからねと言うけど、隣でなくていいのにな。


私の部屋に必要な物が全て用意してあって、ふかふかのベットで寝るのも初めて。


バックの中にしまっていた、父さんの位牌を取り出し机の上に置いた。


父さんおやすみ。


父さんが咲良母さんに私の事を頼んだってあったことには驚いたけど、ありがとう。


あのまま行き場をなくした私はどうしただろうか。


信吾の所へ行っても、私の居場所はなかったかも知れない。


この東京と言う大きな街でこれから生活をしていくのだから。


しかも慣れない仕事がやれるのか、不安は募るばかりだった。


たくさんの事を思いながら、いつの間にか寝てしまったようだ。


「おい、起きろ。」


誰なの。


こんな朝早くから起こすのは。


いきなりデコピンされた。


痛い!


ここは何処?


あたなは誰?


「寝ぼけるのも大概にしろ。」


目の前に田城ちひろがいた。


しまった。


もしかして、やっちゃいましたか。


ごめんなさい。








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