雪見月
Side:A

雪月夜

「っ、」


派手な音を立てた俺の左足が、重い熱を持っている。


痛いというよりただ熱かった。


ふくらはぎが熱源だというように、じわじわとだるさが広がっていく。


道端に座り込んだままでは邪魔になる。


両手を支点にするべく力を入れて、伸びきった足を曲げようとしたが、


痛ってぇ――!?


刺さる痛みに涙目になりかけ断念。


足がつる……!


落ち着くとやはり冬のアスファルトは冷えていて、

その冷たさが今の俺には丁度良く、気持ちが良かった。


心なしか、足の状態が和らぐ気がした。 
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