遠くの貴方に。

学校と友達

ピピピピッピピピピッ…





「んあ…?」

次の日の朝、私は目覚ましの音で目が覚めた。






時間まであと10分…

「あと10分か…」






あと10分、あと10分。

頭のなかで言葉を繰り返してみる。





「ん?あと10分!?」

ガバッと起きてすぐに顔を洗って歯を磨く。

制服に手を伸ばす。
さッとリボンを止めて、


―…靴下、靴下。


靴下が一足たりない。






ガサガサといろんな所を探してみる。

――…あ、あったぁ…っ!


なんでいつもやってた忘れ物チェックと明日の用意をしなかったのだろう。

コンビニで買った菓子パンを食べて、もう一度時間を確認。

「ょし。55分ぴったり」

思えば、寝坊したなんて初めてだ。
いつも暇な夜を1人で過ごすのが嫌で、早めに寝てたんだった。

「いってきます。」




未来がわからないから自分がいつどんな事件に死ぬかもわかんないし






必ず戻ってくるなんて約束出来ないのに「いってきます」

当たり前なんだょなぁ、これが。人間の。



私はこの家を出ていきたい。行くところは、ある。

だけど臆病者の私は、まだ抜け出せずにいたんだ…
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