声が聞きたくて
私はそのまま一条さんに送られて
会社に向かった
一条さんは昨日のことを
社長に説明すると言う
いやいや、それくらい私がしますって
遠慮というか、拒否をしたんだけど
「気にしない、気にしない」と
笑って言う一条さん
社長の怒る顔が目に浮かぶ……
憂鬱しかなかった
そして、会社に着き
私は事務所のドアを開けた
ドアを開けたら、田村さんしかいない
その田村さんが私を確認すると
血相変えて私に駆け寄ってきた
「矢沢さんっ、矢沢さんっ!大変なんだ!!今ね、社長に来客なんだけど、その来客がねっ!……あ、お、お客さん?」
田村さんに圧倒されて 一条さんのことをすっかり忘れていた
「こんにちは、社長室って、あそこ?」
一条さんは田村さんに聞いている
「……え、あ、はい」
田村さんが答えると、一条さんは社長室へと向かっていった