声が聞きたくて


私とは6歳差か……
なんて考えていたら


「もういいだろ、帰る」


そう言って立ち上がる雅人さん


「仕事あんだ」


えっ?そうなの?
なら私はタクシーで帰ろうかと思ったら
雅人さんは私の肩を抱き玄関へと歩く


「送る」


そう言ってくれたけど……
私は雅人さんのスーツを引っ張る


ん?どうした?


『タクシーで帰るよ?』


「いい、送る」


『仕事でしょ?』


「ああ、けど心配だから」



心配……そう言われたら
何も言い返せない。



私達が玄関でやり取りをしていたら


「雅人、あんたいつからあずちゃんと話せるようになったの?」


あ、そうだった。
雅人さんは初めから出ない声を理解してくれている


「あ?いつって、初めから?俺にはあずさの声が聞こえるんだ」


……そうだ
雅人さんは言ってくれた


「それが君の声なんだ」って……。
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