声が聞きたくて

三年という月日



♪〜♪♪〜〜♪〜♪…



「こんにちは、矢沢さん」



その声の主を確認する


『松さん、こんにちは』


「調子はどう?」


『どうかな…はははっ』



「今日はお昼からね。頑張りましょう」


私が頷くと、松さんはニコっと笑い
部屋から出て行った



カウンセラーの松さん
治療の一環で
わたしは毎日オルゴールを聞いている



雅人さんの元から離れて三年
この三年間、私はずっとここにいる



病院というか、施設、
隔離されていることもあり
外部に情報が漏れることもない

シェルターなんだろう。
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