声が聞きたくて


「問題なさそうね、声」


私の中で頑張った声は
ウェイターさんにも届いている


それが何よりも嬉しい
自分の声が誰かの耳に届くなんて……


それでも、まだ不安な自分がいる


もう大丈夫よって言ってもらわないと
もしかしたらダメなのかもしれない



食事をしながら、松さんとたわいもない話をする
多分、これもリハビリの一つなんだろう


「あ、ごめん」


そう言って、松さんは席を立つ
施設用の携帯を手に取っていた
施設から電話なんだろう


そう思いながら
残りのオムライスを食べる
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