声が聞きたくて


さっきの駅前よりも、賑わっている街
前なら、億劫なことも多かった


けど今は違う
たぶん、それは声が出るってだけで
かなり自信がついたからだろう


「矢沢さん、一人で行ってくるから、あのカフェで待ってて」


私を一人にさせるなんて
今まではなかった


……そうか、リハビリ。
たぶん、私はあの施設から出る日が
近いんだと思った


『わかりました!さっき買った本を読んでますので、ゆっくりしてきてください』


そう言って、松さんと別れた
松さんに言われた通り
カフェへと行き、
さっきランチを食べたばかりなのに
ケーキセットを頼んでしまった
< 217 / 282 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop