声が聞きたくて


『黙って……出て行った……』



おかえりって迎えてくれた雅人さんに
本当に申し訳なく思った


まさか、待っててくれるなんて
正直、思ってもみなかった


「ああ……本当だ、見ろ……痩せたろ?」


タオルを手で持ち、上半身を見せる
確かに前はもう少し体格がよかった
けど、無駄な贅肉はなくなり
鍛えられた筋肉しかない


「あずさがいなくなって……自分を見失った。全く情けない奴だった」


そう言って笑う雅人さんは
なんか、嬉しそう


『……ごめっ』



ポロポロ涙が溢れてくる
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