声が聞きたくて
「いえ、いません。まだまだ未熟者ですので……考えてません」
逞さんの言葉に私は驚いた
未熟者って、逞さんみたいな人には
絶対当てはまらない
それに、考えていないなんて……
「なら、考えろ。長年内に秘めた奴……俺が気がつかないと思ったか?」
雅人さんの言葉に
逞さんは黙ってしまった
逞さんには好きな人がいるのか……
一瞬、真澄さんの顔がよぎった
真澄さん……今でも逞さんのこと
想っているんだろうか
そうだったら……切ないな。
「今日中にモノにしろ」
そう言って立ち上がった
えっ?
えっ!?それだけ?
私は雅人さんに肩を抱かれて
そのまま事務所を後にした