声が聞きたくて

報告



次の日……



私と雅人さんは
私の両親と妹が眠るお墓に来ていた



もう何年も来ていないお墓
雅人さんに手伝ってもらい
お墓を綺麗に掃除した


今日は、逞さんが運転手
雅人さんが草むしりをし始めると
離れていた逞さんは慌てて来ようとしていたけど、雅人さんは止めた



「家族だから、俺がやる」



いつもそうだ
この人は自分より私のことを考えてくれて行動してくれる


お父さん……お母さん、夏樹…
遅くなってごめん

やっと来れた
とっても素敵な人と出会えて


私……幸せだよ。

私は両親と妹のお墓に手をあわせる
手をあわせる左手の薬指には
キラリと光る印がはめられている

私が手を合わせている後ろで
雅人さんも手を合わせてくれていた
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