声が聞きたくて
「正直、焦ったわ」
三代店長が自分が満足そうに眺める
「矢沢さんのアレンジ見た時、ショックを受けた。自分にはない発想……一見、シックに見えるけど、ずっと眺めてたいって思えた。これは才能ね」
才能って……私は首を横に振った
「ふふっ……やっぱり矢沢さんと働きたいわ。店舗に戻る時は私のとこに来て頂戴、社長に根回ししなきゃ」
その言葉が嬉しかったのもあるが
少し複雑な気分。
いつ戻るかわからない声
声を取り戻せたら
店舗に行けるなんて保証もない
「それと……ありがとうね、チョコ」
三代店長は照れ笑いしながら
私の横から去った
もし、声を取り戻せたら
三代店長の下で働きたいっと
その時、密かに思った。