小悪魔な彼の想定外な甘い策略
「雰囲気重視のオシャンティなパン屋とかカフェって、日曜日休みますよね、そういえば……」


と、事も無げに言いながら別のお店をスマホで探し始める梶山君。


そして、ふと。

『折角だから、ちょこっと飲んでからいきますか』

みたいな流れになってしまったのだ。


私がちょっとほろ酔いくらいの方が恋人演技もノリが良くできて、いいんじゃないか、と言われて確かに、とも思ったけど、その時偶然触れた梶山君の手がとても冷たかったから、もしかして緊張していたのでは?とも思った。


で、二日連続職場近くの居酒屋で飲むという。

職場に近い、イコール蓮田さんのバーも近いという好条件もあり、一旦落ち着かせる意味合いもあってのれんをくぐった。


そうしたら、なんだか。

『酔いすぎ注意!』を、合言葉に飲んだり食べたりするうちに楽しくなってしまって。


縞ホッケ、だし巻き玉子、たっぷり野菜のナムル、豚しゃぶサラダ……意外と食の趣味が合うことが分かり(て言うか昨日も飲んだから昨日のアレ頼む?みたいな会話もしやすかったんだけど)、ついつい。
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