私たちの物語
「田中?いくよ、せーのっ」


ポチっと二人同時に送信ボタンをタップする。

あ、二人とも気付いた。


読み終えたんだろう。

ナナが唖然としている。

逆に、徹くんはソッコー返信を打っている。


ブルルっと田中の携帯が揺れた。


「なんて?」


「ん?なんか、いつカステラ渡せばいいかって。」


「カステラにしたんだww」


 そう言って、声を押し殺して笑っている透華。


「わりぃかよ。

好きなんだよ、あれ。」


「いや、私たちも後で祭り行くんだし。わざわざ頼まなくても。

あ、返信は8時45分にOXビルの屋上にって打って」


ブルルっと私の携帯も震える。

私も同じように返信を送る。
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