私たちの物語
少し全力疾走すると、シーズーを連れたヤマト君が信号を待っているところだった。

つか、またシーズーかよっ


「あ、サクちゃーん!」


ヤマト君がこちらに気付いて、両手をパーにして、ブンブン振っている。


ん?

両手をパーにして?

リードはどこよ!


ヤマト君が持っていた、シーズーを繋いでいるリードは離され、シーズーがダッと駆け出した。


いやいやいや。

ヤバい。

車!

のほほんと道路を走らないで!

気付いた時には駆け出してた。


車とシーズーの間に、自分の体を入れ必死でシーズーを庇う。


死ぬことなんて、シーズーを目の前で殺されるより、全然痛くない!
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