生神さまっ!

七、自分ヲ知ラナイ



「…本当だったら、もうすっかり…秋のはずなのにねー…」





「うん。

もう、10月か」




冬斗と2人、いつもの広間に集まって。

窓から見えるつまらない景色を眺めながらつぶやく。






なんだかんだ月日は流れ、10月。

本当だったら…天界にも紅葉が見られるのだとか。




色とりどりの色に染まった葉は、ほぅ、とため息をもらさせる。





人界の…"家族旅行"を思い出して、少しまた悲しくなった。






私の季節に対する感情は、結局それほどのものでしかなかったのは事実。

当時はただ私達家族を、本当の家族にしてくれるだけの存在でしかなかったんだ。




…結局季節は、私達3人の狂った関係性を元に戻すことはできなかった。

一度狂ってしまった3人の関係は、もう噛み合わなくなってしまったのだ。




けど…今は、違う。

私はそんな単純で残酷な理由で、季節が好きなわけじゃないんだ。





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