生神さまっ!
「秋奈。落ち着いて聞いてくれ。



…冬斗が、消えた。
冬斗だけじゃない。アマテラスが住んでる屋敷の近くで守られていた黒姫も、行方不明だ。

…理由は、分からない」







『…秋奈は、決して読み手から嫌われる役なんかじゃない。


誰からも愛される、ただ純粋な白い心を持つ…ヒロインだ』






体から不思議なぐらい力がガクンと抜け落ち、私は床にへたり込んだ。





そして頭の中で流れる言葉。

私だけが知っている。私だけがわかる、冬斗が消えた意味。









"冬斗"が、消える。









『秋奈がいるべき場所はここ、天界なんだよ』






ああ。やっと私は気づいた。
いつもそうだ、私は失ってからいつも気づく。

















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