あるワケないじゃん、そんな恋。
「ごめんねぇ…ペソォ……おいでぇ…!」


両手広げて呼び込む。
素直なペソは尻尾を振りながら寄ってくる。


「ヨシヨシ。可愛い可愛い…」


抱きしめながら思った。
羽田もペソくらい単純ならいいのに…って。


男の気持ちなんて、ちっともわからん。

好きなのにそれをどうやって伝えていいかも知らない。

甘え方も上手くないし、やっても顔引きつらせるだけだった。



「先生〜〜!こんな時、どうすればいいのぉ〜〜!」


幾ら読んでも見つかんないよ。

本の中には恋愛がたくさん転がってるのに、私の知りたいことは何一つ載ってない。


「だってぇ……羽田の気持ちがわからんからぁ……」


友達のままでいれば良かったよ。

そしたらこんな苦しい思い知らずに済んだのに。


下手に挑発乗ってデートなんて経験するんじゃなかった。


楽しかったから、余計に最後が悔やまれる。


サプライズがどんなに格安でも、私の為に羽田が考えてくれたから、もっと一緒にいたかった。


女子として……扱って欲しかった。



『やってらんね。お前、ガキ過ぎて…』



喜ばすどころか怒らせた。

またしてもショック受けたのは私の方。


……今度は悲しい。


あんな顔の羽田、見たくなかった………。



「キュゥゥゥゥゥン…」



「ペソ……」



慰めてくれんの⁉︎

ありがとね。やっぱ私の味方はペソだけだよ。



今日だけは顔舐め許したげる。



だって、涙が溢れて仕方ないもん……。





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