あるワケないじゃん、そんな恋。
「菅野………」



なんだこいつ。


メチャクチャ可愛いじゃんか。


グスグス泣いて喚いてるけど、要はどうしていいか分からなねーくらい嬉しいんだろ⁉︎



素直にさせてやるよ。


こうやって…………





「ーーーおい。何だよ、この手は………」



グー突き出してんじゃねーよ。

抱いてやろうとしたらイキナリこれだよ。



「………何すんの!!」


こぇー顔すんな!

俺のこと好きだって言ったろー!!



「…ただ抱いてやろうとしただけだっ!」


お前があんま泣くからだろ。

男として当たり前に慰めてやろうとしただけだよ。


「ここ職場だよ⁉︎ そんなの不謹慎っ!」


「はぁ…?」


何だよ、それ。

お前のモットーは『清く正しく』か⁉︎


「分からん分からん言うから教えてやろうとしたんだろ!恋愛のイロハを……」


去年飲んでる時に言ったじゃんか。

恋を教えてやる…って。

だから、その言葉通りにしようとしただけだ!


「イロハだか何だか知らないけど、ここじゃヤダ!…って言うか、今はダメッ!!」


「ああっ⁉︎ 」


ふざけんてんのか、こいつ⁉︎



「だったら泣くなっ!!この恋愛処女がっ!!」


大人しくこっちに任せとけ。

幾らでも可愛がってやる!


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