嘘と秘密～悲しいラヴァーズ～

迂闊

『桜井…なんだっけ…あ、ミウさんのことだけど？…あ、別れたんだっけ？』





あのあと理人くんは私に何度も謝ってきた。


『いいよ、気にしないで』って言ったけど。


すごく気になる。


恭也くんとゲーセンで遊んでいるときもそのことが頭を過って全然楽しくなかった。


常に思い出すあの言葉。


ミウさん…。


その響きはどうしてもあの子しか思い出せない。


他人なはずなのに…。


何でこんなに美羽のことが脳裏をかすめるのかな…？


「くるみ。朝からすごくボーッとしてるよね」


お昼休み。


いつものように乃愛と美羽とお昼を取る。


弁当開くより先に言われた一言。