それいけヒーロー部


翌日、ヒーロー部内でも風紀が味方についてくれたことが説明されたらしく、昼休みになると銀次郎があたしの元にやってきた。



「くるみさ、なんでそうポンポンと話を進めてしまうのかね君は。オレの活躍どころがなくなっちゃうじゃないか。」


「そう言われましても。」


「陣野も最近は隠密行動してるみたいだし、オレばっかり使えないキャラじゃないか。」


「陣野くん隠密行動してんの?確かに最近見ないけど。」


「たぶん生徒会にも風紀にも顔が割れてないのって陣野だけなんだよ。オレは割とくるみに絡んじゃってるから怪しまれてると考えて行動した方がいいって言われてあんまり動けないの。その分陣野が各方面に探り入れてる。」



「各方面っていうのは?」



「主に先輩方と教師陣かな。あの頭だし、どっちからも目ぇつけられてんのよあいつ。だからそれをうまく使えって、葛西先輩が。」



確かに陣野くんは黒髪と銀髪のツートンカラーな頭でなかなかに目立つ。



最初は部分部分に銀のメッシュを入れていただけのはずが、いつの間にか銀の面積が頭の半分を占めるようになっていた。



その奇抜さと悪っぽい雰囲気が先輩方や教師陣の目を引いているらしい。




「でも銀次郎は陣野くんと仲良くしてたんだから、陣野くんもヒーロー部って仮説を立てる人もいるんじゃない?」


「いや、オレと陣野は大げんかして仲たがいしたことになってるからそれはないと思う。だから陣野は今ボッチで作戦遂行してるってわけ。」




< 295 / 344 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop