クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
朝比奈先輩の目を見て謝ると、彼は私に近づいて私の身体を胸に抱き寄せた。

「何か事件にでも巻き込まれたんじゃないかと思って気が気じゃなかった。心配した」

私を本当に心配する彼の声の響きに心が震えた。

「……朝比奈先輩、本当にごめんなさい。もう朝帰りはしません」

私は朝比奈先輩の目を見て誓った。

自分の事を心配してくれた朝比奈先輩には申し訳ないと思いつつも、彼がここにいる事が嬉しくて仕方がない。

そう思ってしまう私は悪い女かもしれない。

「でないと困る。もうこんなに心配させるな」

朝比奈先輩が私の身体をギュッと抱き締める。

「……はい」

どれくらい抱き締められていたのだろう。

ずっと身を委ねていると突然、朝比奈先輩がフッと笑って、私の頭を軽く小突いた。
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