クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「じゃあ、準備が出来たらダイニングに来て」

朝比奈先輩が部屋から出ていくと、私はベッドからゆっくり起き上がった。

昨日に比べるとだいぶ体調も良い。

部屋を出て浴室に行き、洗顔と歯磨きを済ませるとダイニングルームに向かった。

服も自分の服に着替えたいところだが、朝比奈先輩は私の服をまだ返してくれない。

「適当に座って」

私に気づいた朝比奈先輩が私に声をかけるが、私は首を横に振った。

「……いえ、私も何かお手伝いを」

「病人なんだから座って」

「……はい」

“大人しく座ってろ”という先輩の心の声が聞こえてきて今度は素直に返事をすると、六人掛けのダイニングテーブルの椅子に腰掛ける。
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