こ れ か ら も 、 ず っ と 。

「今、幸せか?」

『……うん、幸せだよ。

透は?幸せ?』

「……おぅ」

『もー、幸せって言ってよー』

「改めて言おうとすると恥ずかしいな」


と、笑って誤魔化しながら

部屋を出ていこうとする透。

膨れっ面になりながら

後ろ姿を見送っていると

急に振り返って、


「俺も……幸せ、だよ。

深久が笑って喜んでくれるなら

俺はいつでも幸せだ」


言うと同時に、ドアが閉まって

どたばたと走って行く音が聞こえた。


『もー……ばか』


顔が赤くなっているのが

鏡を見なくてもわかった。



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