恋も試合も全力で!【番外編】
「…あの時か」
「へ? 裄、覚えてんの?」
裄の腕の中で、あの日のことを話すと、
少し頬を赤らめて、裄が呟いた。
「忘れるわけねぇだろ。俺、あの時超舞い上がってたもん」
「…なんで?」
訪ねると、少しためらいながらも言った。
「だって俺、あの時すでに浅海のこと好きだったもん」
裄の顔は、みるみるうちに赤くなっていく。
あの時すでに、あたしを好きだった?
裄の言葉に、あたしの思考は一旦止まる。
そして。
「え? じゃあ裄はいつからあたしが好きなの?」
あたしより前に、裄はあたしを好きだったってこと?
考えていると、裄に頭を引き寄せられ、胸板に顔を押しつけられた。
二人ともそのまま寝ちゃったから、当然裸なわけで。
裄の温もりが直接肌に伝わってきて、なんだか恥ずかしくなった。