恋も試合も全力で!【番外編】


そして気付けば、理人先輩が頭の中から消えていた。

代わりに、あたしの頭の中は槇でいっぱいで。


槇のために強くなろう。

槇にいいところ見せるために頑張ろう。


そう思うようになっていた。


高校も同じところにいって、槇に『付き合おう』って言われた時は、

思わず泣いちゃったな。


だってそれぐらい、槇のことが大好きだったんだもん。


浅海が裄を好きにならなかったら、出会わなかったかもしれない、あたしと槇。

運命だって、思っていいよね?


今でも隣にいる槇を見つめる。


「……何?」


怪訝そうな顔で、あたしを見る槇。

あたしは槇に抱きついて言った。


「だーいすきっ!」


すると恥ずかしがり屋な槇は、照れながらこう言うんだよね。


「……知ってる///」


《END》




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