片恋専門〜最強モテ子と落ちない彼 番外編〜
「翔平、今日合コンあるけどお前どーする? 美人が多いって評判の南女だってよ!」

終業のHRも終わって、帰ろうとしたところに同じクラスの村田に呼び止められた。

「おぉー!! いいねぇ、南女!!!
可愛い子多いよなー」

「じゃ、翔平は参加ね」

「いやー、行きたいんだけど今日はちょっとダメだわ。先約あってさ。
次の約束、絶対取り付けてきてなー」

「なに?先約ってデート?」

「まぁ、そんなとこ。 じゃーな!
合コン頑張れよー」


デートどころか先約あるってのも嘘だけど・・・まぁ、気が乗らないって正直に言うと次から誘われなくなるしなー。

俺はまりあや高村と違って、人付き合いに気をつかう方だ。
その甲斐あって、男女問わず友達は多い。女の子にもモテる方だと思う。

昔から要領がいいタイプで運動も勉強も人並み以上にこなせた。

けど、器用貧乏ってやつなのか、何か一つに執着するって事もない。

つまらないと言われれば、つまらない人間なんだよなー。


珍しく、鬱々とした気分で学校を出ようとしたら天気まで鬱陶しいことになっていた。

「・・・雨かよ。 傘持ってねぇ」

仕方ない。とりあえずこのまま走って、駅で傘買うか。

そう決心して靴を履き替えたところで、見覚えのある顔と目があった。

「あ・・・」

向こうも俺を認識した。





















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