先生と私


「それは無理です」


わたしははっきりと言った。


これは嘘だ。


こんなに僕の心を和ませ、温かい気持ちにさせてくれるのは彼女しかいない。


僕には君しかいないんだ。


「どうしてですか」


彼女の問いにわたしは答えられなかった。


「暗くならないうちに帰りなさい」


教師としての言葉。


本当は君といつまでもここに2人でいたい。


それでも。


それでもやっぱり、わたしは教師で。


君は教え子で。


< 25 / 51 >

この作品をシェア

pagetop