3年後の約束。
初めての気持ち。



もう1週間後には高校の入学式というくらいまで日が経った。


そして今日は卒業旅行以来に唯とふたりで会う。


お昼。

私達はおしゃれなカフェに行った。


唯「久しぶりだね!もうすぐ高校生活始まるし!」

私「ほんとだね。制服とか楽しみだね。」

唯「制服でどこか遊びに行こうね!」

遊びたいけど私の高校の制服ダサいんだよなあと思いつつも、楽しみだねえと返事をした。



唯「あれから遊太と会った?」

私「うん。漫画借りに来たよ。」

唯「わざわざ家まで?」

私「うん。」

唯「へ~。」

へ~って。

聞いといて興味ないんかい。



唯「ところでさ、遥希は遊太のこと好きなんでしょ?」

私「ブッ!!!!」

私は大人ぶって注文したコーヒーを飲んでいるところ、唐突すぎる唯の言葉を聞いてコーヒーを吹きだした。

唯「やだ~!汚い~!(笑)」

私「汚いって、唯がいきなりそんなこと聞いてくるから!」


唯「いきなりじゃないよ。」

唯は真剣な顔で言った。

いつもの唯がしない顔で。

そんな顔をされて私は何も言えなくなった。


唯「いきなりじゃないよ。本当は遥希だって気付いてるんじゃないの?遊太は遥希にとって特別な存在だって。私や啓に対する好きじゃない、別の気持ちがあるって。」

私「……特別な…存在…。」


唯「遥希にとって遊太はどんな存在?」

私「遊太は…、一緒にいるとバカで、楽しくて、でもふとしたときにドキドキしたりする…。」

唯「それだけ?」

私「でもそれは心地よくて、安心する…。」

唯「それが特別な存在ってことじゃないの?」

私「……それって、好きってこと?」

唯は大きくうなずいた。



…好き?
私が遊太を…?

こういうことを好きっていうの?

好き…。


そっか。
私、遊太が好きなんだ。

自覚をすると一気に顔が熱くなった。


唯「なに自覚した途端に顔赤くしてんの~(笑) かわい~(笑)」

そりゃこんな気持ち初めてだし、好きってどういうものか知らなかったし…。



唯「てか、自覚すんの遅すぎてこっちがヤキモキしちゃったよ!」

私「なんかすみません…。」


唯「まあ、よかった!よし!あとは告白だね!早く付き合っちゃいなよ!」

私「何言ってんの?!いまさっき自覚したのに!ていうか、そんなことできない無理!」

展開が早すぎるよ唯さん。

唯「だって付き合ってくれれば私たちとちゃんと正式としたダブルデートができるじゃん!」


ん?んんんんん?!

正式としたダブルデート?私たちと?なにそれ!!


私「待って!!何?!どういうこと?!唯、彼氏いるの?!だれ?!!」

唯「え?啓だよ?言ってなかったっけ?」


私「えー!!!?!聞いてないよ!!」


唯「あれ~?もう言ったもんだと思ってた(笑)」

私「聞いてない聞いてない!いつから?!」

唯「卒業旅行の日かな~?」

私「えーー!!なんで教えてくれなかったの!!」

唯「だから~、もう言ったものだと思ってたの~(笑)」

私「まじかよ…。そっか…。よかったね!おめでとう!」


唯と啓は仲良かったし、お似合いだったし、付き合うのも時間の問題かなとは思ってたけど、まさかこんな形で知らされるとは…。

だけどよかった!

あれ?啓はずっと唯のことが好きだったんだよね。

てことは、啓から告白したのか。


私「啓が告白したの?」

唯「ううん、唯から。」

私「へ~…。……え?!!唯から?!」

唯「うん。」

私「唯、啓のこと好きだったの?!」

唯「うん。」

私「聞いてない!」

唯「言ってない♪」

私「はっ?!!」


やられた…。この人って人は…。
なぜこんなに言ってくれないんだ…。
こんな秘密主義だったのか…。


私「なんで教えてくれなかったの…。」

唯「もうわかってるのかと思ってた!」


なんでそんな無邪気な顔でそんな心にグサっとくることを言うのだろうか…。

私が悪いのか。
私が鈍感だから…。


唯「やっぱり遥希は鈍感だね~(笑)これからはちゃんと言うようにするね!」

私「そうして!!私にもちゃんとわかるように話して!!」

唯「はいはい(笑)」


これからはちゃんと話してくれるなら安心だ。

それより唯から告白したんだ。

啓が泣いて喜んだのが目に浮かぶ。

そっか。

よかったね、啓。

また今度会ったときお祝いしてあげよ。



いろいろ唯に驚かされたけど、たくさんおしゃべりして高校へ入学して落ち着いたらまた遊ぼうと約束をして唯とは別れた。































































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