恋するキミの隣で。~苦さ96%の恋~


「あれ、壱が昼休み教室いんの珍しいなっ」

「まぁな……」

「購買行くけどどうする?」

「あー……行くかな」


話しかけてきた岡田に、オレは重たい腰を上げる。

重いな……

腰っつぅか身体中が重い。


「このまま沈んで核まで行きそー……」

「なんだ、それ。つぅか核行く前にマグマで溶けるけどな」


意外と真面目に答えた岡田。

そんな岡田についたため息が廊下へと落ちていく。


すれ違う生徒がみんな色を無くしてる。

まるでサングラスでもかけたように色あせて、全員が同じように見えて、何も感じられなくて……

色付いて見えてた昨日までが嘘のように、当たり前にモノクロの世界が広がる。





「澤田くんっ!」

「……―――――」



だけどその中でただ1人、オレの世界を明るくする人物―――――……


小林が、オレの視界に飛び込んできて、オレは言葉を失った。


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