先輩、ちょっと待って下さい!
あのクールで、いつも皆から恐れられている竜也先輩が今は別人に見える。
苦しそうな、そして、少し恥ずかしそうなそんな表情をしている。
先輩も、こんな顔するんだ…
「花子、そんな見つめてくるのって計算でやってるのか」
「え…っ」
「そんな目で見つめられるとキスしたくなる」
竜也先輩は嘘を言ってるような顔ではなく、本気で言ってるような顔をしていた。
私は慌てて視線を下に下げた。