強い女
尊敬
「おはようございます!」

全開の笑顔で一人一人に挨拶する
開店準備中の定時社員の方々が微笑ましそうに笑った

「相変わらず水野さんは元気やねぇ。おはようございます」

「いやいや!朝一番で出勤されてる楠木さんにはかなわないですよ!頭が上がりませんもん」

言いながら思い切り背伸びする

「いや頭上がっとるやん!
っていうか飛び越えとるやん!!」

店中に笑いがはじける
山本が笑いながら歩いてきた

「水野さんおはようございます。
今日は休憩室に甘いお菓子があるから、良かったら食べてね。」

「本当ですか!?山本さん優しい!」

ウキウキと休憩室に向かう
ドアを開けると、平野が口を思い切り開けて大福を食べようとしていた

っていうか

「大福でかっ…じゃなくて店長はしたない!」

「男がはしたないも何もあるか」

堂々と言い放ち、
しかし一口で食べるのは諦めたのか半分に割った

司はおもむろに店長の向かいに立って軽くかがみ、
思い切り息を吹く

白い粉が舞い上がって平野のパーカーと庇った手が白く染まる

「…ってめぇ…」

「あっはっは白っ…白い…ククッ…!」

どれたけ心が真っ暗闇でも、職場に私情は持ち込まない。

しかめっ面でパーカーを叩く店長を尻目に司は更衣室に入った
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