セピア‐ため息の行方
第7章‐突然のサプライズ企画

2-戸惑い

  さて花梨と峻甫そして愛(なる)に恭(たかし)の4人が此方に来て早丸半年が経った。ちなみにスピリチァルの講義も最終段階を迎え、いよいよ本格的に明日からは花梨や雛子そして峻甫に愛それから恭達が現世へと戻るための準備が始まる。


  でもって李はふっと恭が漏らした一言である『僕は星空とこの世界でデートしてみたいな』の言葉を受けて、サプライズ企画をする事にしたのだ。


  まあ、早い話皆とのお別れ会みたいなものに、ちょっとした花を添えたのだ。つまり愛にしたってスピリチァルの講義をしていく上で、此方の世界でつかの間の楽しい時を未稀と過ごせれば多分今後の講義をより良く進める糧にもなるし、そして恭にいたっては現世に於いて2人きりでデートをした事がないので、この際童心に返って放たれた魂の部分で思う存分愛を育んで欲しいと言う願いがあった。そしてその願いの裏側には李の2人に対する深い優しさが溢れていた。
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