【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜


いつもより30分早くセットした目覚まし。

それは昨日俺がついた嘘のせいだった。



なのに目覚ましが鳴る10分前には、目が覚め着替えている俺の姿があった。



......別にそんなんじゃないし。

ただ、今日は目覚めが良かっただけだし。



終いにはこれらの言葉で言い聞かせる自分がいた。



けどまあ、そんなことをしても無意味で。

意識しないように努めるのは返って意識しているようなものであって。

俺の心中は連絡先を聞くということで頭がいっぱい。



そしてそのことを考えれば胸が煩くなる。



はぁ...なんなんだよ。この煩さ。

ただ連絡先を聞くだけじゃんか。

俺、そんなにこの新品の携帯で連絡先を聞くのが楽しみなのか?



自分のことなのに訳が分からない。



けど、もう少しで分かりそうな気もする。



このもどかしさは...いつになったら消えるんだろう。

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