キミに捧ぐ愛
1.
冷ややかなブルー
いつだって世の中は理不尽なことばかりで溢れている。
どういう経緯でこうなったのか、なんで一方的に言いがかりをつけられなきゃいけないのか、考えてみたって思い当たる節はまったくないんだけど。
でも、これがあたしの運命だって言われたら妙に納得出来ちゃう。
それにしても、思い込みってほんとにすごい。
可愛い人でも、ここまで変わるんだもん。
「あたしの彼氏、誘惑したでしょ!?あんたに誘われたって言ってんだけどっ!」
「し、知りません……っ!」
否定してみるものの、あたしは知っている。
「ウソつくんじゃねーよ!!この泥棒女!!」
あたしの声は誰にも届かないということを。
誰にも信じてもらえないということを。
「男好きのくせにっ!」
「人の彼氏を誘惑するなんて最っっ低!」
四方を女子の先輩4人に囲まれて、なす術もなく立ち尽くす。
あたしを見下ろす瞳はとても冷たくて、息をするのも忘れそうになる。