嘘と本音と建前と。
｢気になるじゃん。藤堂も気になるだろ？｣


身を乗り出して司に詰め寄ると司が退いてため息を漏らす。


｢僕は気にならない。｣


司の言葉に空知は頬をふくらませ元に戻る。


そして足を机から投げ出して左右に揺らした。


司は机に頬杖を付き米倉を見た。


｢僕の予想だけど昼休みに誰かと約束を前からしてたんじゃないかな。

なんとか先輩が怪我するなんてことを普通は予測できない。

リレーに出るとしたら昼休みのほとんどが準備に回る。

だから空知に変わって貰いたかった。｣


うーんと唸りながら空知は考えたがどうもしっくりこなかった。


｢誠が先輩より優先するものがあるとか思えないんだよなー。｣


呟きながら空知は米倉を見る。


無邪気そうに友達と笑い合う米倉の暗い部分を感じたような気がする。


｢ひとつだけある。けどここからは自分で考えなよ。｣


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