恋する僕らのひみつ。



くるっと振り返ると、すべり台に寝そべっている湊がいた。



「湊……っ、なんで……」



「なんでって……おまえを置いて帰れるわけねーだろ、アホ」



すべり台から起き上がった湊は、あたしのほうへ歩いてくる。



あたし、あんなひどいこと言っちゃったのに。



いらないなんて……絶対に言っちゃいけない言葉、



湊に言っちゃったのに。



「そこでずっと待っててくれたの……?」



あたしの前に立った湊は、あきれたように微笑む。



「朝まで待つ覚悟だったけど、思ったよりは早かったな」
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