鈍感ちゃんと意地悪くんの周囲の人々
「ありさ、心細かったよ!」

わたしが傍に行くと、美空はほっとした表情を、ヴェールの向こうから浮かべた。

「ごめんね、はい、これ」

小さな花束を渡す。
不思議そうな顔をする美空に、笑が漏れる。

「花嫁さんと言えば、ブーケでしょ?
早く言ってくれれば、もっといいの準備できたのに!」

恥ずかしがりでバカなんだから、美空は!

「続きましては!
1年5組!
瀬田優斗くん、立花美空さんです!」

「ほら、行っておいで?」

わたしは美空の背中を押した。


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