鈍感ちゃんと意地悪くんの周囲の人々
イケメンと美少女のキスシーンに、会場が湧き上がった。
さっきまで野次が飛んでいたとは思えないほどだ。

瀬田君は軽々と彼女を抱き上げて、舞台を去っていった。
大事に守って、かばって、キスして……。
お姫様だっこまで、しちゃうんだ。

誰にでもするわけないよね、そんなこと……。
さっきの態度から見ても、瀬田君が魔女ちゃんを好きなことは、明らかだ、と、思う。

付き合ってるか付き合ってないかは分からないけど……。
好きなんだ、瀬田君……。

でもわたし、納得できないし、役柄でも祝福できないよ、ごめんね。
わたしは、違うクラスのペアに投票して、体育館を後にした。
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