鈍感ちゃんと意地悪くんの周囲の人々
「あ、鈴木ちゃん」

少し前を歩く鈴木ちゃんを発見した。
声をかけたけど、どうもブツブツ言っていて、俺の声は届いていないらしかった。
そぉっと近づいて、何を言っているのか耳を澄ませてみる。

「あのゲロ甘美空溺愛男め……。
二度どころか三度までも美空をあんな目に合わせて……。
恥ずかしがりを捕まえて舞台で何してやがるんだって話よ、全く……」

どうな目に合わせてやろう……?

……。
物騒な物言いをしている鈴木ちゃんから、俺はそっと遠のいた。
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