私とキスと横恋慕。
私と背中と「行かないで」
 



翌日から、灘崎くんに無理に話しかけようとするのはやめた。

桐山に関わることを恐れるあまり、
変な気を遣いすぎて疲れてしまう。


別に灘崎くんにこだわることはない。


世の中いろんな人がいるしね!
視野を広く…!!




そうして、緊張感から解放されて毎日を過ごすようになってから、
灘崎くんと桐山が話す機会が減ってきたのを感じた。


「美羽…
最近灘崎くんと桐山、話す機会減ったよね…?」

「え、そうかな…?」

「うん、絶対そう!!」

「なんか…」


美羽は私の顔を覗きこむと、にやりと笑った。


「桐山くんのことよく見てるよね、沙々。」

「えっ!?
いや、別に桐山を見てる訳じゃ…!」


そんなことないはず!

だって、できるだけ桐山と目が合わないようにしてるのに…

 

あ、でもよく考えたら

顔を見ていないだけで、

桐山の行動は目の端でずっと追っているんじゃ…


そう気づいた途端に、
自分の諦めの悪さに恥ずかしくなった。


私、美羽にあんな宣言しておいて、
結局桐山のこと…





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